POF法のやり方と方法
MIYAZAKI GYM代表の宮崎です。
トレーニングの基本原則は理解していても、できるだけ効率よく結果を出していきたいですよね。
そんな時に考えるべきは「POF法」という考え方です。
トレーニング効果をワンランクアップさせるPOF法のやり方について具体的に解説していきます。
POF法とは
POF法とは、Psitions Of Flexionの略です。トレーニングの動作で負荷のかかるポイントがそれぞれ違うのは分かりますよね?
「中間」「ストレッチ」「収縮」のどこで負荷がかかるのかを分類し、それぞれで刺激を加えようという方法です。
胸のトレーニングだと以下のようになります。
中間・・・ベンチプレス
ストレッチ・・・ダンベルフライ
収縮・・・ケーブルクロス
動作の全てで均等に負荷がかかるものはないため、このように負荷のかかるポジションを分けてトレーニングするといいということです。
ちなみに中間位は「ミッドレンジ種目」、ストレッチは「ストレッチ種目」、収縮は「コントラクト種目」という呼び方をするので、以降もこの表記で記載していこうと思います。
POF法の順番
POF法では1回のトレーニングで3つのポジション全てに刺激を与えるので順番も考える必要があります。
基本的には以下のような流れになります。
高重量を扱えるミッドレンジ種目(ベンチプレスなど)
筋肉に損傷を与えるストレッチ種目(ダンベルフライなど)
収縮させパンプ感を与えるコントラクト種目(ケーブルクロスオーバーなど)
この流れだと効率よく筋肉に刺激を与えることができます。
先に収縮系の種目を行ってしまうと、高重量を扱いたいミッドレンジ種目の負荷が下がってしまうんですよね。
POF法は時間が無ければコントラクト種目を省く
3つの種目を全部2~4セットくらいやるとなると、そこまで時間取れないという方もいますよね。
その場合に優先順位が低いのはコントラクト種目です。
トレーニングは高重量で負荷をかけるのと、筋肉をストレッチさせることが重要です。
他種目でも収縮位で負荷がかかっていないわけでもないので、省いてしまいましょう。
具体的なPOF法のメニュー
POF法を取り入れやすい部位と取り入れにくい部位はあります。
トレーニング種目的にはっきりストレッチやコントラクトが分かれてないものや、背中のように羽状筋であまり収縮伸展がわかりにくかったりするものがあります。
胸、上腕二頭筋、上腕三頭筋辺りは取り組みやすい部位です。
脚はそもそも筋肉の走行も様々だったりストレッチ種目を入れる為に無理やりシシースクワットに取り組むくらいなら別の種目を入れた方がいい気もします。
下背部や上背部も同様です。
なので、POF法を取り入れるという場合、胸、上腕二頭筋、上腕三頭筋の3種類で考えればいいかなと思います。
その他の部位は普通のトレーニングの種目を考える際に、ストレッチ系の種目も入れようとか考えるくらいで十分でしょう。
胸のPOF法の種目例
ミッドレンジ・・・ベンチプレス、ダンベルベンチプレス、チェストプレス
ストレッチ・・・ダンベルフライ
コントラクト・・・ケーブルクロスオーバー
定番のメニュー構成ですが胸の場合はこんな感じになります。
ジムによっては結構ケーブルクロスオーバーが出来なかったりするので、その場合はチェストフライなどのマシンで収縮ポジションを強調して行うといいでしょう。
可動域を調整して効かせ方を変える
そもそもバーベルしかないとかの場合、ストレッチもコントラクトもやりにくいというケースはあります。
普通のトレーニングメニューを組む際にも、刺激を変化させたくても難しいということはままあります。
そんな時には、可動域を変えて効かせ方を変えてみましょう。
ベンチプレスの場合、しっかり肩甲骨を寄せて下までおろすことでストレッチされます。逆に胸まで付けない程度にして、グリップも少し狭めに握ることで収縮させることができます。
マシンなんかはもう少し位置で負荷の増減が少ないので、可動域の調節だけでもPOF的な刺激の変化が期待できると思われます。
上腕三頭筋のPOF法
上腕三頭筋はその名の通り3つの筋肉が集まっているのですが、そのうち長頭と呼ばれる筋肉だけが肘だけではなく肩をまたいでいます。
その為、その部分をストレッチさせることが非常に重要になります。
最も効果的なのはライイングトライセプスエクステンションです。POF法で取り入れる際には、更にストレッチを強調したプルオーバーエクステンションを行ってもいいでしょう。
https://www.youtube.com/embed/-W-k-2kDYYo
文字で伝わりにくいので動画も載せておきました。いきなり重い重さで取り組むと怪我に繋がるので、無理のない範囲から行いましょう。
トライセプスエクステンションはダンベルでも行うことができるのですが、ダンベルの幅で頭をぶつけやすいので、上手くかわしながら行ってみてください。
コントラクト種目はケーブルで行っても大丈夫です。
ロープを使ったプレスダウンなんかはいい感じの収縮感が得られていいかなと思います。
ミッドレンジ・・・ナロウグリップベンチプレス、リバースプッシュアップ
ストレッチ・・・ライイングトライセプスエクステンション、フレンチプレス
コントラクト・・・ダンベルキックバック
上腕二頭筋のPOF法
ミッドレンジ・・・バーベルカール、ダンベルカール
ストレッチ・・・インクラインカール
コントラクト・・・プリーチャーカール
上腕二頭筋は分かりやすくPOFを行える部位です。
二頭筋は肘だけではなく肩関節も跨いでいるのが特徴なので、ストレッチさせるなら肩を後ろに引く、収縮させるなら肩を前に出すということがポイントになります。
なので、ストレッチをかけるインクラインカールでは斜めのベンチにもたれて、肩からストレッチさせます。
逆にコントラクト種目ではプリーチャーベンチを使い肩を前に出してアームカールを行います。
ベンチが無い場合
インクラインベンチやプリーチャーベンチが無い場合、自力で肩を軽く引いたり前に出したりして行うだけでも効果はあります。
収縮ポジションに関しては、ケーブルがあればそれでも取り組みやすいと思います。収縮ポジションを中心に動かしてパンプアップさせましょう。
ストレッチポジションは、高い台があれば、フラットでも完全に寝た状態からアームカールを行うという方法はありますが、ストレッチがかかりすぎてしまうのと結局軽い重さしか扱えないので微妙です。
また、普通のフラットベンチでは床についてしまいます。
POF法のセット数や回数、頻度について
POF法は一般的な筋トレと同じでいいと思います。2~4セットを8~12回で週2~3回程度という感じです。
ミッドレンジは高重量を扱い神経系に刺激を与えるという意味で4~6回、ストレッチは8~12回で筋肉痛になるような損傷を与え、コントラクトは12~20回程度の高回数でパンプアップさせるという分け方もありです。
POFだけでは筋肉が慣れてしまう
ただ、様々な刺激を1日で与えるという考え方はいいのですが、筋肉を刺激に慣れさせないというのもトレーニングプログラムの大きなポイントです。
高重量で神経系を刺激する時期、中重量で筋肥大を狙う時期、低重量で化学的な刺激を与え内分泌系を刺激する時期など、分けた方が刺激に変化が出て効果的です。
中級者くらいまでは一度に全部まとめて行い、それ以上のレベルを目指す際にはもっと細かく刺激も変化させるようなプログラムが必要かなと思っています。
POF法まとめ
トレーニングプログラムを考える際に考慮に入れたいPOF法という考え方でした。
完全な初心者は1つの種目でこんなに刺激を分ける必要もないので、効果的なミッドレンジ種目を中心に、特に鍛えたい部分があればストレッチ種目も取り入れるというくらいでいいでしょう。
1年くらい取り組んで、成長も鈍ってきたと思ったらPOF法の出番です。
様々な刺激を一度に与えて、成長を加速させましょう!