ダイエットを成功させるための5つのチェックポイント
ミヤザキジム代表の宮崎です。
ダイエットに取り組んだけど思ったように効果が出なかったという人も多いかと思います。
大抵の場合どこか見落としている場合があります。
そもそも思ったより食べ過ぎていたり、あまり食べてはいないけど運動量も少なかったりなど。
一通り必要な要素を見直してみましょう。
大まかには以下の要素をチェックします。
現在の摂取カロリーを知る
基礎代謝を知る
一日の消費カロリーを知る
消費カロリーを増やす
摂取カロリーを減らす
1.現在の摂取カロリーを知る
目標達成のためには現在の位置を知らないといけません。
摂取カロリーが消費カロリーよりも多いとまず痩せません。
まずは今食べている食事のカロリー計算をしてみましょう。
3大栄養素から計算する
カロリーは3大栄養素の「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」の3つが主に持っています。
炭水化物・・・4Kcal/g
たんぱく質・・・4Kcal/g
脂質・・・9Kcal/g
調理の際に1つ1つの食材の量と成分を調べて計算するのが一番正確な値に近いと思います。
自炊で拘りたい人は3大栄養素の量から計算してみてください。
カロリー計算アプリを使う
カロリー計算アプリもどんどん進化しています。
「カロミル」は写真から栄養素を判定してくれるアプリです。
「あすけん」は栄養士からのアドバイスや運動についてのアドバイスも貰えます。
どうしても概算にはなってしまうのですが、そもそも目安程度に分かれば大丈夫です。
2.基礎代謝を知る
基礎代謝とは寝ていても消費する、体を維持するために必要なカロリーのことです。
体が大きければ基礎代謝も大きくなります。
ダイエットでカロリー制限をする場合でも、基礎代謝は下回らないようにします。
動かなくても消費するカロリーなので、それ以下にすると基礎代謝も低くなって痩せにくくなるばかりか、だるさなども出てしまいます。
基礎代謝の計算方法
ハリス・ベネディクト方程式(改良版)を使って基礎代謝量を計算しています。
男性: 13.397×体重kg+4.799×身長㎝−5.677×年齢+88.362
女性: 9.247×体重kg+3.098×身長㎝−4.33×年齢+447.593
身長170㎝、体重60㎏の25歳男性の場合・・・約1566Kcal
身長160㎝、体重50㎏の25歳女性の場合・・・約1297Kcal
基本的にはこの数値を下回らないように食事制限をしていきます。そして基礎代謝をベースに1日の消費カロリーを計算することが多いです。
3.一日の消費カロリーを計算する
一日の消費カロリーは基礎代謝+歩いたり運動したりして消費したカロリーです。
大まかにどのような生活をしているかで計算します。
計算式は以下の通りです
ほぼ運動しない (基礎代謝 × 1.2)
軽い運動 (基礎代謝 × 1.375)
中程度の運動 (基礎代謝 × 1.55)
激しい運動 (基礎代謝 × 1.725)
非常に激しい (基礎代謝 × 1.9)
参考:Ke!san(https://keisan.casio.jp/exec/system/1567491116)
先ほど計算した基礎代謝1566Kcal の男性の場合、以下の通りです。
ほぼ運動しない (基礎代謝 × 1.2)=1892Kcal
軽い運動 (基礎代謝 × 1.375)=2135Kcal
中程度の運動 (基礎代謝 × 1.55)=2427Kcal
激しい運動 (基礎代謝 × 1.725)=2701Kcal
非常に激しい (基礎代謝 × 1.9)=2975Kcal
女性の1297Kcalの場合以下の通りです
ほぼ運動しない (基礎代謝 × 1.2)=1556Kcal
軽い運動 (基礎代謝 × 1.375)=1783Kcal
中程度の運動 (基礎代謝 × 1.55)=2010Kcal
激しい運動 (基礎代謝 × 1.725)=2237Kcal
非常に激しい (基礎代謝 × 1.9)=2464Kcal
この例の男性の場合、中程度の運動を行っているなら2427Kcal摂取すると体重をキープできるということになります。
中程度というと、歩数計で8000歩程度でしょうか。普通の通勤+デスクワークだと「軽い運動」レベルです。
1キロの体脂肪を消費するのに約7700Kcal必要
中程度の運動をしている場合、基礎代謝ギリギリのカロリー制限を行うと、2427‐1892=535Kcalが消費されることになります。
1キロの体脂肪を消費するのに約7700Kcal必要なので、約14.4日で1キロの体脂肪が落ちる計算になります。
1カ月2キロくらいですね。意外とそんなものです。
女性でほとんど外にも出る習慣のない主婦の方などはもっと落ちにくくなります。
「ほぼ運動しない」カテゴリーだと先ほどの例の場合、1556-1297=259Kcalしか消費できません。
7700÷259=29.7
1キロの体脂肪を落とすのにほぼ1カ月かかってしまいます。
これは実際に指導している現場でも同じくらいの感触です。
かなりしっかり食事制限を行っても、普段の活動量が少ない生活習慣の方は、1カ月1キロくらいですね。
4.消費カロリーを増やす
個人的には健康面考えたりした時に、食事制限も運動も取り組むのは負担もあるので、無理しなくてもとは思います。
でも1カ月1キロでは流石に少ないと思う方は多いようです。
食事を基礎代謝以下にしても、だるくなったり、栄養不足で健康に影響が出たり、代謝が落ちるだけだったりします。
なので、それ以下にはせず、消費を増やしていくような取り組みが必要です。
消費カロリーを増やすには以下の方法があります。
日常生活の中でカロリーを消費する
有酸素運動を増やす
燃焼系サプリメントを使う
筋肉量で代謝を上げる
タンパク質を増やす
日常生活の中でカロリーを消費する
一番おすすめの方法です。
わざわざ運動しようというより、1駅前から歩いて帰るとか、遠回りして目的地に向かう、階段を使うなど、日々の生活の中での消費を増やしていきます。
着替えてランニングとなるとハードルが一気に高くなります。
なんなら、ご近所さんにダイエットしていると思われること自体が恥ずかしいと感じることもあるでしょう。
とにかく基本は「歩く」ということでいいので、30分~60分程度普段より多く歩くようにしましょう。
1駅手前から歩く
階段を使う
歩いて買い物に行く
などの方法を試してみてください。毎日の積み重ねは結構大きな変化があります。
有酸素運動を行う
ジョギングや水泳などの有酸素運動は消費カロリーが多く、ダイエットに効果的です。
主な有酸素運動の消費カロリー(1時間あたり)は以下の通りです。
水泳・・・700~900Kcal
ランニング・・・600~800Kcal
バスケ、サッカー・・・400~510Kcal
ボクササイズ・・・370~450Kcal
ゴルフ・・・230~380Kcal
踏み台昇降・・・280~300Kcal
有酸素運動は取り組まなくても食事制限だけで落とせるということと、有酸素運動をやりすぎると省エネ体質になっていくということから、あまり取り組まない人もいます。
個人的な意見としては、まず日々の活動量が少なすぎるグループの人は、ダイエットが長期化する負担よりも短期間で目標達成できるメリットの方が大きい場合があります。
また、単純な心肺機能の衰えや、運動による健康面のメリットを享受できるということから、活動量の少ないグループの方は取り組むことのメリットの方が大きいと考えています。
1カ月に1キロくらいの変化で、しかも女性だと生理周期での体重の増減も入ってくるため、体重の変化が無いとモチベーションが続きにくくなります。
1カ月取り組んでも全く変わっていないというタイミングまであります。
なので、万歩計つけて(iPhoneとかは最初から入ってる)8000歩以下の人は、有酸素運動をダイエットに取り入れるのも検討してみてください。
燃焼系のサプリメントを使う
燃焼系のサプリメントもあるので、ダイエットの際に使用することで効果を加速させることができます。
ダイエット系のサプリは色々な種類がありますが、一番おすすめなのは燃焼系のサプリメントです。効果が大きく、健康面のデメリットもあまりありません。
カルニチン
EGCG(エピガロカテキンガレード)
CLA
カプサイシン
カフェイン
などが主な成分です。
このような商品があります。
ダイエットとか燃焼系のサプリメントは成分的に全然足りないものとかも多いので、この手のちゃんとしたサプリメントメーカーの物を購入するのが良いです。
飲むだけで痩せるような効果はなく、数十~100Kcal程度を消費カロリーにプラスできる程度だと思って下さい。
それでも毎日の積み重ねで、ダイエットの1カ月~半年の期間で考えると大きなプラスになると思います。
また、サプリメント全般に言えることですが、お金を払ってサプリメントを飲んだのに、暴飲暴食しては勿体ないという意識も働きます。
食事の吸収を抑えるようなサプリメントは逆効果になることも多いですが・・・
飲んだ後しっかり運動しようとか、そういったプラスの効果も、実際の消費カロリー増加の影響以上に多いと感じます。
筋肉で代謝を上げる
ダイエットを始めてから取り組むことでもないのですが、筋肉量を増やすことで消費カロリーを増やすことができます。
1キロ筋肉が増えると、1日の消費カロリーは50Kcal増えると言われています。基礎代謝は13Kcalくらいですが。
初心者なら3カ月程度の筋トレで2キロ増やすのは難しくないので、筋トレで筋肉を付けることで太りにくく痩せやすい体質にすることができます。
ダイエット中に筋トレを行う意義は、初心者で体脂肪が多いと筋肉が増えるということが1つです。
もう1つは、ダイエットをすると筋肉が減りやすいので、それを抑える目的があります。
筋肉が減ると代謝が落ちるだけではなく、たるんだ見た目にもなるので、ダイエット中は有酸素運動よりも筋トレの方が優先順位は高くなります。
筋肉量を増やす目的なら、スクワットやベンチプレスなどの大きな筋肉を使う運動が効果的です。
これらの運動は間接も複数使うため、主要な部分だけではなく細かい筋肉も使うばかりでなく、バランスをとる為の体幹部なども使うため筋肉量の増加に大きな効果があります。
1キロ筋肉が増えると50Kcal/日の消費が増える
ダイエット中でも初心者は筋肉が増えることも多い(特に体脂肪が多い方)
筋肉が減ると代謝が落ちるだけでなくたるんでしまう
有酸素運動より筋トレ優先で
筋肉量を増やすならスクワットやベンチプレスなどの多くの筋肉を使う運動
タンパク質を増やしてDITを増やす
タンパク質は消化に多くのエネルギーを使います。
これを食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)と言います。特異的動作用(SDA:Specific Dynamic Action)ともいいます。食事後に体が温まる作用ですね。
タンパク質:30%
脂質:4%
糖質:6%
参照:厚労省e-ヘルスネット
食事全体としては約10%くらいになります。
タンパク質を増やすことで、沢山食べても太りにくくなるのがわかります。
筋肉を増やすためにも必要なので、ダイエット中はタンパク質を多く取るというのがベターです。
消化で発生するDITはタンパク質が圧倒的に多い
筋肉量を増やすのにも必要なのでダイエット中はタンパク質を多めに
5.摂取カロリーを制限する
ダイエットを行う時に摂取カロリーが多いと、ほぼ何をやっても痩せることはありません。
基礎代謝を下回らないように設定するのですが、そこで出てきた数字を基準に食事を考えます。
1日何食食べるか
1回の食事のPFCバランス
この辺りを気にして具体的な食事内容を考えなくてはならないところです。
1日何食を食べるか
1日に何回食事をとるかは重要です。
最もいいのは1日6食など多くの回数に分けて食べることです。
それにより急激な血糖値の上昇を防ぐことができ、脂肪をつけやすくするインスリンのコントロールが可能になります。
空腹感のコントロールにも食事回数を分けることは重要です。
1日1食
1食という方法もあります。
空腹の時間が長くなり、代謝も落ちる、筋肉も減りやすいとは思いますが、この方が向いているというなら選択肢としてはありです。
1500Kcal摂取する人は、1食の場合多くの普通の食事が可能になります。
1日2食(8時間ダイエット)
2食も1食と似ていますが、食事をとる時間を8時間にする方法が良いです。
朝を抜いて12時と20時とかですね。
昼に多く食べて夜は少なめという形になります。
1500Kcalの場合、1000Kcalを昼に、夜に500Kcalなど割り振るといいでしょう。
1日3~6食
一般的な3食の場合、500Kcal×3くらいになるので、糖質や脂質を制限したダイエットレシピで3食食べるような形になるでしょう。
6食の場合、1食300Kcalになるので、かなり気を使ったダイエット食という感じになります。
野菜と鶏むね肉を中心になってきます。
1日の食事のPFCバランス
ダイエットの際にPFCバランスを考えることは重要です。
PFCとはタンパク質、脂質、炭水化物のことで、それらを適切な割合で摂取することで効率よくダイエットすることができます。
炭水化物が多すぎても、血糖値の乱高下により空腹感が出やすくなってしまったり、カロリーの高い脂質が多すぎると摂取カロリーが多すぎになってしまうかもしれません。
理想的な割合はタンパク質15%、脂質 25%、炭水化物 60%と言われています。
ダイエットの場合だとタンパク質を多めに取りたいので20~25%くらいまで上がってもよく、その分脂質は15~20%くらいまで下げ、炭水化物は55~60%くらいと少なめにするのがおすすめです。
食事を細かく分解して考える
そうはいっても具体的にしないといまいちイメージがつきません。
1500Kcalでダイエットを行おうと思った場合、1日のタンパク質、脂質、炭水化物の割合は以下の通りです。
タンパク質:225Kcal・・・56g
脂質:375Kcal・・・42g
炭水化物:900Kcal・・・225g
これを3食で割ると1食辺りは以下の通りです。
タンパク質19g、脂質14g、炭水化物75g
ここまで分解すると具体的なメニューも組みやすくなります。
ケンタッキーのオリジナルチキンがタンパク質、脂質がこれと同じくらいです。ごはん1膳とサラダをノンオイルドレッシングで食べたら丁度1食分ですね。
ささみや鶏むね肉などの高たんぱく低脂質な食品を使いつつ、卵や豆腐などを活用すると丁度いいくらいのバランスになるかと思います。
ダイエット中は少しタンパク質多めで大丈夫です。
量は昼多くして夜少なくなど多少調節する方が取り組みやすいと思います。
あくまで目安であって、炭水化物を10%以下にする糖質制限ダイエットや、脂質を10%程度にする低脂質ダイエットなどもあり、それらの効果は摂取カロリーが同じなら同じくらいです。
PFCバランスを正しい範囲に収めた方が、栄養のバランスは良くなりやすいので、無理ないダイエットになります。
摂取カロリーは基礎代謝以下にはしない
摂取カロリー目標が出たらPFCバランスを計算する
そこから1食辺りの炭水化物、タンパク質、脂質の量を計算する
食材の組み合わせからメニューを決めていく
極端な制限も効果は同じくらい
まとめ
ダイエットを行う際のチェックポイントをまとめました。
基礎代謝を計算する
1日の消費カロリーを計算する
摂取カロリーの目標を決める
1食のPFCを決めて具体的なメニューを作る
運動などで消費カロリーを増やす
このような流れになります。
原則的には摂取カロリーより消費カロリーの方が多ければ痩せていきます。
それでも痩せない人が多いのは、代謝が下がっていたり、そもそもの運動量が足りなかったり、カロリー計算しても計算がずれていたり、遺伝的にも代謝が低くて痩せにくいなど、さまざまです。
ちゃんとやっているはずなのに全然痩せないというのは本当によくあるので、どの部分がネックになっていそうなのかを見つけ、改善案を考えるのがダイエットを成功させる秘訣だと思います。