ジャーマンボリュームトレーニング

細胞核オーバーロードのやり方や効果とは

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宮崎 隆一

代表取締役株式会社リーブル
トレーナー歴15年。パーソナルトレーニングジムMIYAZAKI GYMを4店舗運営し、自身でも年間1200~1500件のレッスンを行っている。専門はダイエット・ボディメイク。 NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定トレーナー) フィットネスニュートリションスペシャリスト ヘビー級プロキックボクシングライセンス(失効) テコンドー関東大会二部無差別級優勝 全日本学生ボディビル選手権6位 剣道二段 居合道初段

細胞核オーバーロードとは

最近、「細胞核オーバーロード」というトレーニング方法が話題になりました。

これは毎日負荷をかけることで筋肉の細胞を増やすこができるということです。細胞が増えたら筋肉も増えやすくなりますよね。

筋肉増強剤として有名なステロイドも同じ原理です。こう聞くともの凄い効果がありそうですよね。さて、実際はどうなのでしょうか?

細胞核オーバーロードに対するトレーナーの意見

トレーナーとしての私の意見を先に述べさせていただくと、「部位を限定するならありかもしれない」という感じです。もしあなたが全身を効率よく鍛え上げたいと考えているのであれば、このようなやり方は非効率的になるでしょう。しかし、例えば腕だけを太くしたい、握力をとにかく鍛えたいというような目的であれば、毎日トレーニングを行うというのもダメではないように思います。

ただ、非常にロマンのある理論でもあります。ベンチプレス競技などではエブリベンチといって毎日ベンチプレスを行う競技者は少なくありません。これはテクニック習得などが重要なためというのもありますが。

今後の情報次第でやり方はどんどんアップデートされると思うので、情報を追っていきたい分野です。

また、ボディメイク的な点で言えば、弱点の改善など、部位ごとの改善には適していると言えます。疲労など全体のバランスを考えながらプログラムを組むことができればいいですね。

まずは理論面などをしっかり分析してみましょう。

細胞核オーバーロードについての動画

こちらの動画で細胞核オーバーロードについて詳しく解説がされています。是非一度ご覧いただくといいと思います。

細胞核オーバーロードのメリットと効果

筋肉の細胞数が増加する

筋肉は細胞数ではなく1つ1つの細胞が肥大することで大きくなるのですが、細胞核オーバーロードでは細胞数自体を増やすことを目的として取り組みます。

その効果がステロイドと同じということで、ステロイド並みの効果!?と銘打って情報が出されましたが、そこまででは無いと思います。

そもそも、普通のトレーニングでも細胞数自体は増えます。それがトレーニングを中断して筋肉が落ちてもまた戻りやすい「マッスルメモリー」と呼ばれるものの所以でもあります。

筋力アップの効果

神経系の改善による筋力アップ効果があります。ただ、これは高重量を扱う場合で、細胞核の増加を狙う場合は難しいかもしれません。

エブリベンチのようなベンチプレス挙上重量増加の為の高重量低回数で毎日やるようなトレーニングの場合にはこの筋力アップの効果は大きく表れるでしょう。

細胞核オーバーロードのやり方

細胞核オーバーロード自体は毎日肉体労働をしている人や、特定の運動を毎日行うアスリートの筋肉の発達から着想を得たとされています。

たしかに農作業や漁業、林業などの従事者の筋肉は大きく発達しています。スポーツでも、体操選手の腕や肩、バレリーナのふくらはぎ、競輪選手の脚などは異常なまでに発達していますよね。

1度に1部位まで

細胞核オーバーロードは1部位までが望ましいです。これは全身の疲労がたまってしまうためです。特に中枢神経系の疲労は筋肉自体のダメージよりも重要で、自律神経がダメージを受けてしまいます。

その為、普通のトレーニングでも週に1~2日は休むことが推奨されています。全身鍛える場合には週2回程度で良く、週3回では多すぎるくらいの頻度になります。

ですので、細胞核オーバーロードのような非常に高頻度で負荷を与える場合には疲労のマネジメントの件から1部位に限定するのが望ましいです。

細胞核オーバーロードの期間

細胞核オーバーロードでは4週間を一区切りとします。その後1~2週の休息を置くようにします。

1カ月休みなしでトレーニングをするので、流石にそのあとは少し休みます。この辺りどの程度休むのが適切なのか、それほど明確な研究は無いように思います。

細胞核オーバーロードのメニュー

細胞核オーバーロードを行う際には、週の1~2回は高重量を扱うようにします。大体6~10回で限界になる重さを扱いましょう。

それ以外の日には20~40回のハイレップを行います。

この組み合わせの理由について正確なところはわかりませんが、ステロイド使用者はハイレップで代謝物を貯めるようなトレーニングを行う場合が多いです。これらは筋形質の肥大の為に必要なことなのですが、筋肉の細胞がストレッチされるような刺激を受けることで筋肉の細胞が増えるとされているので、それを目的としているのかもしれません。

細胞核オーバーロードのセット数

セット数は動画によると6~10セットとしています。

私自身もそれくらいが現実的かなとは思います。普通のトレーニングと大きく変わることは無いという感じですね。

細胞核オーバーロードのデメリット

筋肉の細胞数を増やすという画期的なトレーニング法の細胞核オーバーロードですが、デメリットもいくつか考えられます。

他の部位のトレーニングをどうするか

毎日1部位を鍛えるのですが、他の部位のトレーニングはどうすればいいでしょうか?とにかくトレーニング頻度が高い為、全体的にあまりハードなトレーニングは行えません。

完全休養日を作れない為、ややトレーニングボリュームは落とした方がいいと考えられます。

週3日トレーニングを行っていた場合、週2回は普通のトレーニングを行うという形がいいと思います。

疲労が他トレーニングに影響を与える

例えば上腕三頭筋を細胞核オーバーロードのメソッドで鍛えようと思った場合、上腕三頭筋を使うベンチプレスなどはやりにくくなります。

毎日疲労していると、腕などの細かい部位を使ってしまう場合、割と大きな部位のトレーニングに影響で易いですよね。

ここはベンチプレスの代わりにダンベルフライを行うなど、種目を変えて対応するのが望ましいと思います。

細胞核オーバーロードを実際に取り入れるとしたら

トレーナーとして細胞核オーバーロードをどのようにプログラムに取り入れるかを考えてみました。

弱点部位の改善に

弱点部位というのは殆どの方で存在しています。過去の運動経験や怪我などで特定の筋肉が使われやすい、特定の筋肉が使われにくいというのは珍しくありません。

特に幼少期の運動経験によって発達し易い筋肉が違うのは、やはり運動経験で筋肉の細胞が増えているからではないでしょうか?ということは、弱点部位の筋肉も筋肉の細胞を増やすことで同じように発達し易くなるのではと思います。

腕などの特定部位に

腕など細かい部位の強化には適していると思います。

とにかく握力を鍛え上げたいというような場合でもいいですね。見た目としても、腕や肩など1部位が極端に発達しているとかなり太く見えます。

正直、負担の大きさから考えて、あまり脚や胸、背中などの大きな筋肉に取り入れるのは難しいのではと思います。細かい部位で差をつける時にいいのではないでしょうか。

実際のところ、一般の方でもカッコいい体に見られたいという場合には前腕や上腕が付いていれば大体の場合は問題無かったりします。そんなに脱いだりしないので、シャツでわかる範囲でいいんですよね。

一時的に取り入れる

細胞核オーバーロードは一時的に細胞数を増やすという目的にはいいのですが、肝心の筋肥大の効果に関しては既存のメソッドの方が効果的であるように思います(多くの研究もあるので)。

ですので、一時的に細胞数を増やすという目的で取り組んだら、その後は通常メニューに戻すといったやり方が望ましいと思います。

細胞核オーバーロードのまとめ

細胞核オーバーロードに関しては、似たようなメソッドは昔から度々出てきます。しかし、劇的な効果があったとする人はいません。

特に重要なのは疲労のマネジメントでしょう。トレーニングは終了後60時間近くコルチゾルの分泌が増加したとする研究もあります。

参照:J Strength Cond Res. 2014 Jan;28(1):194-200. doi: 10.1519/JSC.0b013e318291b726.

この辺りとの兼ね合いは必須になってくると思います。個人差も含めて試行錯誤は必要かもしれません。

やはり細かい部位一つに抑えて、他のトレーニングと両立できる範囲で、期間限定で行うというやり方がベターではないかと思います。

 

 

 

 

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