トレーナーが教える糖質制限ダイエットの全て

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宮崎 隆一

代表取締役株式会社リーブル
トレーナー歴15年。パーソナルトレーニングジムMIYAZAKI GYMを4店舗運営し、自身でも年間1200~1500件のレッスンを行っている。専門はダイエット・ボディメイク。

糖質制限ダイエットとは

古くはアトキンスダイエットとしてアメリカでスタートしました。2003年頃に流行り、その時期には米やパスタなどの炭水化物商品の売り上げが大幅に落ちたとのことです。脂質が極端に増えることなどから、健康面での指摘は止みませんが、少なくとも1年以上の長期でなければ大丈夫でしょう。期間に関してのエビデンスなどはメリット、デメリットの項目で解説します。

糖質制限ダイエットとは、文字通り食事から糖質を制限することでダイエットする方法です。私自身もこの方法で何度もダイエットしており、個人的には一番勧めやすいダイエット方法です。

ダイエットジムなどでも糖質制限の指導をすることが多く、少なくとも多くの方が実際に体験している方法という意味でも推奨していいのではと思います。弊社のジムでも糖質制限を勧めることはよくあります。

  • やり方がわかりやすい
  • その為、何度も同じ方法で痩せられる
  • 外食が容易
  • 空腹感が少ない

というメリットがあります。ただ、糖質を制限するだけのように見えて、意外と押さえなければいけないポイントがいくつかあり、知らずに行なうとだるかったり、特定の疾患のリスクが増えたりする恐れはあります。

糖質制限ダイエットのやり方

糖質制限ダイエットは糖質を減らし脂質を増やす

糖質制限ダイエットは1日の糖質を40g以内に抑えるだけ。というのが一番わかりやすい方法です。ただし、脂質をたくさん摂らないといけません。糖質制限ダイエットは脂質からケトン体を作り、それをエネルギーとすることが特徴のダイエットです。

タンパク質、脂質、炭水化物のPFC比は3:6:1くらいになります。脂質は実に6割。これは逆に摂取するのが大変なレベルです。消化器系の弱い人はMCTオイルなどで増やす必要があるかもしれません。

糖質制限のPFC比

糖質制限の際のたんぱく質、脂質、炭水化物の比率の円グラフです。

 

糖質制限ダイエットで有効な食品

糖質制限ダイエットの際には極端に少ない糖質と極端に多い脂質をどうするかが課題となります。食べるのが得意な人はいいものの、胃腸の弱い方は脂質の多い肉を食べるのは辛いと感じることもあるようです。

  • 脂の多い肉
  • ココナッツオイル
  • MCTオイル
  • 青魚
  • アーモンド、クルミ

などの高脂質、高タンパクな食品を積極的に活用しないとなかなか達成できません。特にMCTオイルは中鎖脂肪酸という種類の油で、炭素数8個のカプリル酸は普通の長鎖脂肪酸のパルミチン酸の炭素数16個と比べて、炭素数が約半分ということ、そして消化の際に門脈を経由して直接肝臓で消化されるので消化が約4倍と非常に早く、大量のケトン体を生み出します。

こういった容器が遮光のものの方が油の劣化が少ないのでお勧めです。

また、調味料は糖質の少ないものがおすすめです。

  • 塩コショウ
  • 醤油
  • マヨネーズ
  • 唐辛子

等は大丈夫です。野菜を食べることもあると思いますが、ドレッシングは糖質の少ないものにしましょう。ノンオイルドレッシングは糖質多めです。

糖質制限だと甘味も摂りにくいのですが、エリスリトールであればカロリーも糖質も0です。人工甘味料でないので、人工甘味料が気になる方でも利用できます。

  • ラカントS
  • パルスイート

等が商品名です。特に砂糖の代わりになるエリスリトールは調理にとって有効です。商品名としてはパルスイートやラカントSなどですね。甘味としては砂糖の7割程度で、似ているけどちょっと物足りなさを感じるかもしれません。個人的には甘ったるい感じが無いので逆に好きですね。

 

糖質制限ダイエットのメリット

メリット1 長期のダイエットにも使える

長期の糖質制限による賛否は多くの研究が行われています。こちらの日本糖尿病学会の報告をまとめたページによると

一方、糖質制限食の問題点として指摘されるのが、長期的な効果と安全性だ。この点を払しょくするデータとして山田氏は、ランダム比較試DIRECTを紹介。322人の肥満患者を3つの食事療法で割り付けたところ、糖質制限食群で減量、脂質、HbA1c(糖尿病患者に限定)が最も改善した(N Engl J Med. 2008 Jul 17;359(3):229-41)。その効果は4年間の観察期間を経て計6年維持されたという(N Engl J Med. 2012 Oct 4;367(14):1373-4. doi: 10.1056/NEJMc1204792)

このように、長期的な取り組みについての結果も良好との研究があります。

個人的な指導経験からすると、念のための安全を考慮して、お客様に勧める場合には6か月を最長として考えて指導していますが、自主的に1年以上行われる方もいらっしゃいます。その場合に特に大きな問題があるかというと、今のところよくリスクとして挙げられる腎臓の問題などが発生したケースは無く、むしろ血糖値だけでなく、様々な数値がダイエットによって改善している場合がほとんどです。

腎臓の方も、先ほどの日本糖尿病学会での報告によると

また、高たんぱく食による腎臓への影響についても言及。腎機能が正常な女性では、高タンパク質を摂取しても影響は出ないが、軽度腎障害では腎機能低下を促進させた報告(Ann Intern Med. 2003 Mar 18;138(6):460-7.)があることから、「腎機能が正常の方であればいいが、2期腎症であってもあまり積極的に糖質制限は進めるべきではない。3期腎症での導入はもってのほか」と、腎障害に対する低炭水化物食の適応に慎重な姿勢を見せた。

とのことで、既に腎機能の低下がある患者でなければ、高たんぱく食による腎機能へのダメージは気にし過ぎる必要はないのかもしれません。逆に、腎機能に異常のあるかたは勿論禁忌なので、糖質制限は実施しないようにしましょう。

否定的な意見でも、長期間は良くないという報告なので、私は半年以内のダイエットなどであれば十分問題無く取り組んで大丈夫なのではと思っています。

メリット2 分かりやすいので間違えにくい

どんなダイエットであれ、いつ何を食べないといけない、栄養バランスはどうするか……など、細かい事まで学んで実施するのは大変困難を伴います。

糖質制限の場合

  • 糖質を1日40g以下にする
  • 摂取カロリーを気にしなくていい(食べ過ぎたら痩せないですが)

というくらいのやり方なので、専門家でなくても理解しやすい方法です。脂質の量や質、食物繊維を摂る、水分を多く摂るなど、様々なポイントはありますが、基本的な方法は理解しやすい為、他の方法よりもはるかに取り組みやすいダイエットだと思います。

理想通りの食生活が送れる人はごくわずかで、大抵の場合はイレギュラーな飲み会や外食というものが発生するのですが、その際にも原則がシンプルであれば、柔軟に対応することもできます。再現性の高さも同様です。糖質制限はリバウンドし易いと主張する人も居ますが、特にそんなことはないです。逆に、リバウンドは起こる時には起こるので、その時に再度調整しやすいシンプルな方法というのは非常に有効だと考えます。

また、たまにどれだけ食べても大丈夫!という謳い文句の広告もありますが、そんなことはありません。カロリーが多ければ糖質を制限しても痩せません。ここはよくある間違いなのか、わかっていてそういう広告を出しているのか、定かではありませんが、食べ過ぎはダメです。ただ、普通は糖質を制限して沢山食べようとしても難しいので、7割くらいの人は食べたいだけ食べても痩せていきますね。

メリット3 空腹感が少ない

脂質の多い食品が増えることで、消化吸収に時間がかかるので、空腹感を感じにくくなります。また、ケトン体のβヒドロキシ酪酸空腹感を感じにくくする作用があるため、ダイエットで一番つらい空腹感を感じにくくなります。

空腹感を感じにくいことによって、食事回数が少なくても大丈夫なのも大きいです。

糖質制限ダイエットのデメリット

糖質制限ダイエットにもデメリットはあります

  • 米やパンが好きな人は制限が辛い
  • 悪玉コレステロール増加の恐れがある
  • 腎機能障害を持っていると腎臓に負担がかかる

といったものです。糖質制限による悪玉コレステロールについての研究はこちらを参照ください。参考:Arch Intern Med. 2006 Feb 13;166(3):285-93.

とはいえ、善玉コレステロール(HDL)に関しては良好な結果が得られたりと、決して悪い報告ばかりではありません。やはり、「長期の糖質制限に関して慎重になるべき」という段階ではないかと思います。この辺りは医学界の報告を待ちながらアップデートしていきましょう。まあダイエット目的で1年以上取り組むこともあまり無いので、しっかり半年以内の短期で落とし切ってしまうのがいいと思います。

糖質制限ダイエットと他のダイエットの比較

糖質制限ダイエットが他のダイエット方法を比べて、あたかも魔法のような扱いをされていることがありますが、その効果は実は脂質制限や普通のカロリー制限のダイエットとそう変わるものではありません。最初に水分が抜ける為モチベーションが上がりやすいなどで、効果の出やすい人がいることは確かだと考えています。

他ダイエットとの比較論文もあるので是非ご参照下さい。ランダム化比較試験で信頼性は高いかと思います。要は糖質制限も普通のカロリー制限もあまり変わらないという結果です。

 2014 Jul 9;9(7):e100652. doi: 10.1371/journal.pone.0100652. eCollection 2014.

Low carbohydrate versus isoenergetic balanced diets for reducing weight and cardiovascular risk: a systematic review and meta-analysis.

糖質制限ダイエットまとめ

糖質制限ダイエットはやり方を間違えなければ非常に有効なダイエット方法の一つです。私個人の意見としては、特に腎機能、肝機能、1型糖尿などのリスク因子を持っていなければ、または糖質食品が大好きで制限がとても辛い、というのでなければ、ダイエットの最初の選択肢として取り組んでもいいと考えています。

実際のジムでの指導の現場でも、これまで色々指導してきましたが、糖質制限での指導が一番正しく取り組めていました。

正しい知識でやれば、効果は期待できるダイエットです。是非試してみてください。

 

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