ダイエット為の有酸素運動-消費カロリーやタイミングなど

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宮崎 隆一

代表取締役株式会社リーブル
トレーナー歴15年。パーソナルトレーニングジムMIYAZAKI GYMを4店舗運営し、自身でも年間1200~1500件のレッスンを行っている。専門はダイエット・ボディメイク。

ダイエットをするのであれば、ジョギングや水泳などの有酸素運動はやった方がいいです。

よく、「ダイエットに有酸素運動は必要ない」というボディビルダーやトレーナーが居ますが、それは間違いです。

有酸素運動による代謝の低下や(UCP-3の活性低下)、過剰にエネルギーを消費することによる筋分解の恐れの2点が主な理由だと思います。

しかし、筋肉量が常人よりはるかに多く、定期的な運動も行っているトレーナーやボディビルダーと違い、太りやすい人の多くは、普通より筋肉が少ない上に活動量が少ない人です。

その為、食事制限を行うにしても、それだけでは効果が実感しにくく、「活動量を増やす=有酸素運動を行う」という選択肢は有効だと考えていて、実際に指導の現場では大きな効果を上げています。

有酸素運動とは

そもそも有酸素運動ってなんだか正確に分かりますか?ランニングや水泳は有酸素運動ですよね。では腕立て伏せやスクワットは?

実は、腕立て伏せやスクワットも、負荷次第では有酸素運動になります。

身体を動かす為のエネルギー産生には3種類あり

  1. リン酸系
  2. 解糖系
  3. 有酸素系

とあります。このうち、有酸素系のエネルギー産生を行う運動のことを有酸素運動と言います。

有酸素系かリン酸系かなどの違いは、運動強度の問題です。

  1. リン酸系・・・重量挙げなど
  2. 解糖系・・・400m走など
  3. 有酸素系・・・ジョギングなど

リン酸系は10秒程度、解糖系は1分から2分程度です。それに対して有酸素運動は特に制限なく使い続けることができます。

有酸素運動と解糖系ではATPの合成速度に100倍程度の差があるので、強い力を発揮するという局面では、リン酸系や解糖系が使われ、ゆっくり長く運動するような場合には有酸素系が主に使われるという形になります。

なので、スクワットをそれなりの重さで扱えるような人にとっては、自体重でのスクワットは非常に強度が低く、1000回連続でやれば30分程度の有酸素運動とも言えます

有酸素運動の種類と消費カロリー

有酸素運動は前述の通り、「長時間継続できる運動」であれば有酸素運動ではあります。

とはいえ、有酸素運動として取り組みやすい運動はあるので、消費カロリーと併せて紹介します。

水泳(クロール) 1337kcal
水泳(平泳ぎ) 700kcal
ジョギング 605kcal
ダンス(激しい) 382kcal
踏み台昇降 382kcal
ダンス(軽い) 255kcal
ヨガ 255kcal
水中ウォーキング 255kcal
ウォーキング 248kcal
自転車 229kcal

参考:消費カロリーの高い運動ランキング

割と簡単に出来るものを順番に並べてみました。サッカーやテニスなどのスポーツ系は大体400~600くらいです。やり方次第で大きく変わってしまうので割愛しました。

水泳はやはり効果的なのですが、着替えやプールに行く手間を考えると、ウォーキング等がいいかもしれません。テレビを見ながら出来る踏み台昇降なんかもいい運動ですね。

また、膝や股関節等に異常のある方は、関節の負担の少ないプールがおすすめです。この辺りはそういった事情と、好みや取り組みやすさを考慮して取り組むのがいいと思います。

有酸素運動の頻度

有酸素運動は週3回から

有酸素運動はどのような頻度で取り組むのがいいのでしょうか?

筋肉から乳酸が抜けるのを待つために2~3日に一度というのを推奨する人もいるのですが、実際のところ結構激しい運動でなければそれほどの疲労はたまりません。

普通の人で1日30分を週3回から始めるといいでしょう。徐々に増やして、週に4~5回まで増やしましょう。

有酸素運動は1回20分から50分

有酸素運動を行う場合、一昔前は20分以上の継続が脂肪燃焼に必要と言われてきましたが、現在では小分けにしてもいいとされています。

つまり、朝10分、夜10分でも大きく効果は変わらなかったとのことです。

20分以上というのは、運動開始後から、糖質からの消費より脂質からの消費が大きくなるのが20分くらいというので言われていたのですが、割合が変わる程度なので大きな差ではないということです。

ちなみに安静時は9割程度が脂質からの消費です。筋トレなどは逆に9割程度が糖質からですね。

有酸素運動を行うタイミング

有酸素運動は筋トレの後に

有酸素運動は筋トレの前と後のどちらがいいですか?という質問は本当に多く聞かれます。

ダイエットの場合なら、基本的には「筋トレ後」です。これは成長ホルモンにより体脂肪が分解されているのと、グリコーゲンが減っている状態の方が体脂肪が使われやすくなるからです。

有酸素運動を筋トレ前にやるメリットは、疲れていないので高強度で出来るという理由からです。なので、前でも後でもどちらが絶対に正しいというわけでもなく、優先したい方を先にというのと、有酸素の方が強度が低いことが多いのと、体脂肪が減りやすいメリットがあるので、出来れば後の方がいいのではと推奨しています。

筋トレ後で疲れているからウォーキングくらいにしてしまうのと、筋トレ前にしっかりジョギングするのでは、効率に少しの違いがあったとしても、絶対的な消費カロリーの多い筋トレ前のジョギングの方が体脂肪は減りますよね。そのくらいの違いだと思っていいと私は考えています。

有酸素運動は食事前に

肝臓のグリコーゲンが低下している時には体脂肪の減少が進みます。

参考:筑波大学による肝グリコーゲンの減少が脂肪燃焼に効果的という研究

その為、食事を摂ってグリコーゲンが満たされている状態よりも、食事前でグリコーゲンが枯渇されている時の方が体脂肪の燃焼が進むので効果的ということです。

折角運動したのに、さっき食べたご飯を消費しているだけというのは勿体ないように感じてしまいますよね。

余談ですが、ダイエットの指導の際に「夕飯をなるべく早めにして、炭水化物を少なめに」という指導だけでも結構落ちるケースがあります。細かい食事制限は出来ないという方には有効です。これもグリコーゲンを枯渇させる時間帯を作るということが一つの成功の理由になっています。

有酸素運動は朝食前に

肝グリコーゲンが少ない時という意味で、通常最も少ないのは朝起きた時です。このタイミングで動くことは体脂肪を燃焼するのに非常に効果的と言えます。

ただ、寝ている間に水分が減っていて、そこから更に汗をかくと血液がドロドロになってしまうため、まずコップ一杯の水分を摂取し、ウォーキングしながらペットボトルの水を飲むなど、血管系の問題が起こらないようにしたいところです。

有酸素運動のデメリット

ダイエットに有酸素運動がいいと勧めていながらも、デメリットについては語らないわけにはいきません。

ダイエットで有酸素運動否定派の人は、デメリットの部分を気にしているからということです。私自身は最初に述べたように、デメリットは承知の上で、通常よくあるケースの、運動不足や食事管理をし切れない人などは、それでも採用するメリットがあると考えています。

有酸素運動は筋肉が減る

有酸素運動のような長時間の運動では筋肉のグリコーゲンが枯渇します。

マラソンで30キロ過ぎるとガクッと速度が落ちてしまうハンガーノックなんかはまさにグリコーゲンの枯渇が原因です。

筋肉を動かす際に、最初に分類した「解糖系」などはグリコーゲンを利用する為、それが枯渇していると筋肉などを分解してグルコースを作り出してしまいます。これを糖新生と言います

糖新生が起こり過ぎると筋肉が落ちてしまいます。ダイエット中は糖質が不足し易いので、糖新生も起こりやすい状況になっています。

筋肉1㎏減ると1日の消費カロリーは約50kcal減ってしまいます。ボディビルの減量の際の除脂肪体重の変化の研究では体重11.7キロ減らす際に5キロの除脂肪体重が減少しているとしています。コンテストレベルの減量でなくても、極端な食事制限や過剰な有酸素運動は逆効果になってしまうでしょう。

有酸素運動は代謝を下げる

有酸素運動は代謝を下げてしまう可能性があります。これはUCP3というタンパクの活性が下がることが原因で、速筋繊維には多いのですが、持久的なトレーニングを続けることで、これが減ってしまうというのが示唆されています。

参照:石井教授のコラム「有酸素運動で減量した人がリバウンドし易いのは科学的な理由があった!」

生物が概ね環境に適応するということから考えても、エネルギーを多く消費する運動を繰り返している人は、エネルギーを節約するように体が変わっていくというのは当然のことかもしれません。

なので、あまり有酸素運動のみを長期間続けてというのは私も勧めていません。あくまで、短期間で体重を大きく落としたい、食事制限等が徹底できない人への提案の一つとなります。

有酸素運動とダイエットのまとめ

有酸素運動はカロリーを多く消費し、より体脂肪から多くエネルギーを使うものの

筋肉量の減少やUCP1の低下による代謝の減少がネックとなります。

逆に言えば、筋肉が分解されにくいような栄養の摂取タイミングなどを考え、有酸素運動のみを大量に行って痩せようと思わなければ、運動不足や食事制限の管理不足によるダイエットの失敗の確立を下げられると考えています。

ボディビルダーやトレーナーは徹底できるし慣れているから有酸素運動無くてもいいのですが、昼や夜は付き合いで食事をコントロールできないとか、家で仕事、車で出勤してデスクワークという運動が不足し過ぎている人などは、そういうわけにもいきません。

メリットとデメリットを考慮しつつ、いい取り入れ方をできれば、有酸素運動はダイエットの強い味方だと思います。

ケース次第ではありますが、是非参考にして取り組んでみて下さい。

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