
有酸素運動では痩せない4つの理由をパーソナルトレーナーが解説
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宮崎 隆一
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有酸素運動は痩せにくくなるって知っていましたか?
パーソナルトレーナーの宮崎隆一です。ダイエットやボディメイクを専門として都内で4店舗のパーソナルジムを経営しながら、自分でも年間1000件以上のレッスンを行っています。トレーナー歴は16年になります。
今回は有酸素運動についてです。ダイエットやボディメイクダイエットと言えばランニングや水泳などの有酸素運動をしようというのは、少し古い知識かもしれません。
実は有酸素運動をするほど痩せにくく、リバウンドし易い体質になってしまいます
これには4つの理由があります。
- 筋肉が減ってしまう
- 普段から省エネ体質になってしまう
- そもそも消費カロリーが少ない
- 運動したよりも食べてしまう
このような理由から痩せにくくなるわけなのですが、だからと言って本当にやっても意味が無い、完全に逆効果というわけではないので、取り入れたい場合の取り組み方なども解説していきたいと思います。
正しいダイエットの知識を身に付けて、リバウンド知らずになりましょう。
有酸素運動とは
そもそも有酸素運動とは何だろうという人も居ますよね。
有酸素運動とは
有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、エアロビクス、サイクリング、水泳など、長時間継続して行う運動を指します。これらの運動は、運動中に筋を収縮させるためのエネルギー「アデノシン三リン酸(ATP)」を、体内の糖や脂肪が酸素とともに作り出すことから、有酸素運動と呼ばれます。
参照:健康長寿ネットhttps://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/yusanso-undou.html
ということで、別に息を激しく切らせるから有酸素運動というわけではありません。単純に「長い時間継続して行う運動」という認識で大丈夫です。
1.有酸素運動では筋肉も減ってしまう
原因は糖新生
有酸素運動で太り易くなる理由の1番大きなものはこれです。有酸素運動を多く行ってしまうと筋肉量が減ってしまいます。
この原因は「糖新生」です。
糖新生とは、糖質が不足した時に、筋肉などを分解して糖質を作り出す仕組みの事です。低血糖になってしまうと死に至る為、人の体は血糖値を上げるための仕組みが幾つもあります。
筋肉が減ると代謝も落ちる
筋肉が減ればもちろん代謝も落ちてしまいます。筋肉は一番カロリー消費する組織です。
筋肉が1キロ減ると1日の消費カロリーは約50Kcal落ちてしまいます。2キロの筋肉を落としてしまった場合1日あたり100Kcalなので年間で36500Kcalを消費できなくなってしまう。1㎏の体脂肪の持つエネルギーが7200Kcalなので、約5kg分の体脂肪と同じだけのエネルギーが消費できなくなるということになる。同じ食事量に戻したとしたら、1年間で5kg太ってしまう。
2.有酸素運動は痩せにくい省エネ体質になってしまう
原因はUCP-3の活性低下
有酸素運動を行うと筋肉内のUCP-3という代謝を上げるたんぱくの活性が下がってしまいます。要は消費カロリーが減ってしまうということなんですね。
これは生物としては当たり前の適応と考えていいと思います。
運動量が多い場合、消費し過ぎてしまうのは生物としては生存に関わってしまいます。なので、消費カロリーを抑える方向に体が適応していくということなのではと私は考えています。
筋トレは逆に消費カロリーを増やす
逆に筋トレはUCP-3の活性を増やします。
これは速筋繊維のタイプⅡxという種類がタイプⅡaという種類に変化していく為です。それによって消費カロリーが増えるということになります。
もちろん、筋肉の量が増えることでも消費カロリーは増えるので、2つの効果でダイエットに筋トレが有効というわけです。ライザップさんなんかが盛んに筋トレと食事制限で結果にコミットと言っているのは根拠のない話ではないんです。
3.有酸素運動は意外と消費カロリーが少ない
痩せるために走る!というのは決して間違いではないですし、消費した分は痩せるのですが、実際にはやった感覚よりも消費は少ないものです。
1時間のウォーキングを毎日やろうというのは時間的にも結構な労力ですよね。しかしそれで消費するのは200Kcal程度とおにぎり1つ分。1カ月毎日取り組んでも1㎏の体脂肪も落とすことができません。
1時間当たりの消費カロリーは以下の通りです。60kgの男性の場合。
ウォーキング | 200Kcal |
自転車 | 220Kcal |
ジョギング | 450Kcal |
水泳 | 500Kcal |
テニス | 660Kcal |
1㎏の体脂肪を落とすのに約7200Kcalが必要になります。この表を見ると、どれだけ多くの運動をしなければいけないのかと途方にくれてしまいますね。
1回ランニングを頑張ったら500gくらい落ちるという人も居るのですが、それは汗です。500Kcal運動して全てが体脂肪から使われたとしても、70g程度しか落ちない計算になります。実際は糖質も使われるので50g以下でしょう。
4.有酸素運動したよりも食べてしまう
運動したから食べてもいいという免罪符
先ほど書いた通り、有酸素運動をしても消費する量はあまり多くありません。
しかし、運動をした、頑張ったという感覚は強くあります。実際普段やらないようなことをやるし、それなりに辛いと思います。
それによってご褒美という形で食べ過ぎてしまう人も居ますし、そういうつもりがなくても、運動してお腹が空いたから多く食べてしまうという人もいます。これはメンタル面での問題です。
食べるメニューを決めてしまう
運動したから少し多く食べてもいいかも。と思わないように、食べるメニューを決めてしまいましょう。特に運動後ですね。
あまり計画的でない、なんとなく食事減らしてなんとなく運動して、というスタイルが痩せにくいのは、自然と運動した分を食べてしまう為です。我慢し過ぎる必要もありませんが、夜などは食べるものを決めておくといいかもしれません。
ダイエットには筋トレが必須
以上のような理由から、有酸素運動ではリバウンドし易くなることがわかりました。
ではどうすればいいのでしょうか?一番の解決策は筋トレを取り入れることです。筋肉量が落ちてしまうことも、UCP-3の活性が低下することも防ぐことができます。
食事制限だけ、有酸素運動だけではなく、必ず筋トレも取り入れることでリバウンドしにくい体を作っていきましょう。
筋トレ指導しているから売り込んでいるんじゃないの?
私はジムを運営していてトレーナーとしても活動している為、何が何でも筋トレをさせたいんじゃないかと思われてしまいそうですが、それは違います。
「お客様のダイエットを成功させたい」「理想的な体型づくりを成功させたい」というところで様々な器具を導入したり、やり方も最新のものにしています。現在は間違いなく食事指導と筋トレと言うのが最もいい選択肢であるでしょう。
逆に走った方が健康にもいいし、筋肉も付くし、痩せやすいとかであれば、そちらの指導をしていくと思います。ポジショントークではなく、現時点での正しい情報を発信しているつもりなので安心してください。
ダイエットに有酸素運動は取り入れない方がいい?
そんなわけで、注意が必要な有酸素運動ですが、全く取り入れない方がいいとまでは思いません。
やればやった分だけ体脂肪が落ちるのも間違いありません。
- 短期集中の場合
- 持久力や心肺機能も強化したい場合
- メンタル面を安定させたい場合
等の場合は有酸素運動を取り入れていい場合だと思います。身体作りで言えば、やはり短期で目標達成したい場合には、有効度が高いですね。
その他、心肺機能やメンタルへの良い効果は筋トレよりもあるので、目的別に考えてプログラムしていけばいいと思います。
弊社パーソナルトレーニングジム「ミヤザキジム」でも有酸素運動を含めたダイエットプランなど、オーダーメイドにプログラム作成して指導をしています。渋谷、新宿、池袋、武蔵小杉にありますので、興味があればぜひお越しください。
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